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NTTとリージョナルフィッシュによる合弁会社「NTTグリーン&フード株式会社」設立について ~地域と新たな産業創出をめざす~

NTT グリーン&フード株式会社

日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)とリージョナルフィッシュ株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役社長:梅川 忠典、以下「リージョナルフィッシュ」)は合弁会社「NTT グリーン&フード株式会社」を設立し、2023 年 7 月 1 日より事業を開始します。「自然の恵みを技術で活かし、地球と食の未来をデザインする」という企業理念のもと、「水産業の衰退」、「食料不足」、「環境問題」等の課題解決に貢献する事業を行ってまいります。

1.背景と目的

現在、地域の基幹産業である農林水産業は就労者の減少や高齢化が加速し、食料自給率の低下など多くの課題を抱えています。特に水産業においてはその傾向が顕著であり、かつて水産王国であった日本は約 30 年で就労者、水産生産量ともに 60%程度減少※1 するなど、その輝きを失いつつあります。また、気候変動による海水温上昇や乱獲等により、従来近海で取れていた魚が取れなくなる等、地元の水産・加工、製氷業者等にも大きな影響を与え始めています。
一方世界では、人口爆発や地政学リスク等により、食料や資源の争奪戦が起こり、価格も高騰しています。この旺盛な需要を支えるため、水産業においては、養殖を中心に生産量が飛躍的に増加し、「獲る漁業」から「育てる漁業」への転換も顕著に見られます。
「10 年後の食卓は本当に維持できるのか」。「次世代の子供たちに安心してバトンタッチできるのか」。日本で、世界で起きている食と環境への不安、社会課題解決のため、NTT はリージョナルフィッシュとともに、合弁会社「NTT グリーン&フード株式会社」を設立し、本年 7 月 1 日より事業を開始いたします。

2.事業概要

NTT グループが有する IoT、AI 等の情報通信技術や、魚介類の餌となりうる、CO2をより吸収する藻類の生産技術、リージョナルフィッシュが有する最先端の品種改良技術※2 や養殖技術等、双方の技術や英知を結集し、まずは魚介類の生産・販売を行います。具体的には各自治体等と連携し、陸上養殖施設を構築して魚介類を生産します。生産した魚介類はブランド魚として地元スーパーや飲食店等へ販売する他、大手小売・流通企業を通じた販売や、ふるさと納税品としての活用も行います。
生産や加工、販売において地元企業と連携することで、雇用創出につなげるとともに、最先端の養殖技術や環境保護技術等に関する教育の場を提供するなど地場産業の振興や、持続可能な地域社会の発展への貢献をめざします。加えて、アニサキス等の寄生虫や感染症のリスクも軽減することが可能となるため、安心安全で高付加価値の魚介類の生産を実現します。

図1.陸上養殖を契機とした地域の活性化イメージ

3.合弁会社概要

会社名NTT グリーン&フード株式会社
NTT Green & Food, Inc.
会社ロゴ
代表者代表取締役社長 久住 嘉和
所在地東京都千代田区大手町1丁目 5 番 1 号
資本金92 億円
株主構成日本電信電話株式会社
リージョナルフィッシュ株式会社
事業開始日2023 年 7 月 1 日(予定)
主な事業内容1.魚介類の品種改良、生産、販売等
2.藻類の品種改良、生産、販売。藻類を活用した餌の開発等
3.サステナブル陸上養殖システム※3の研究、開発、提供等
公式ウェブサイトhttps://www.ntt-green-and-food.com/
※2023 年 7 月 3 日(月)午前 10 時から閲覧可能

図2.グリーン&フード事業構想

4.今後の取り組み

「自然の恵みを技術で活かし、地球と食の未来をデザインする」という理念のもと、地域の皆さまとの連携を強化・拡大し、陸上養殖施設を拡充することで、日本の水産業の発展に貢献します。
具体的には、NTT グループの IoT や AI 等を駆使した陸上養殖のスマート化※4を実現し、環境面に配慮したサステナブルな陸上養殖を展開することにより、自然と共生しながら、地域産業を発展させる循環型で持続的な取り組みを推進してまいります。

本件に関する報道機関からのお問い合わせ先

NTT グリーン&フード株式会社
コーポレート部
ntt-green-and-food@ntt.com

※ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。

※1 出所:水産庁「平成 29 年度 水産白書」
※2 ゲノム編集技術をはじめとした育種技術。ゲノム編集技術とは生物が持つ特定の塩基配列を意図的に切断し、切断された DNA が修復される過程で生じる塩基配列の変化によって、本来担う機能を改変させる技術です。外来からの遺伝子導入によって機能改変を行う遺伝子組換え技術と異なり、自身が持つ塩基配列のみを変化させるため、従来の品種改良と同様とみなされています。
※3 再生可能エネルギーや水質浄化プラント等を含む陸上養殖システム
※4 IoT や AI 等を活用した魚の生育状況把握や水質管理、給餌の自動化等

記者会見の様子

NTTグループニュースリリース

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